「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(23)

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    今日もよくネズミが暴れている。

    ☆立花るつさん
    <font color="#ffffff">名前すら持たぬ透明の花になり君の傷口に沿って咲きたし (005:名前)
    悲しみが流れ流れてたどりつく河口で拾った石ころを抱く (036:流) 立花るつ</font>

    ☆浦好さん
    <font color="#ffffff">単身赴任五年目に入る流山近藤勇の首塚の傍 (036:流) 浦好</font>

         ☆

    <A HREF="http://www.sweetswan.com/kinenbi-senku/">「記念日俳句」の選句結果</A>が発表されている。
    7日までは、島田牙城さんの選。
    一番最初に投稿した「初夢の日」の句が【人】に選ばれていた。
    1月と2月分の計60句は既に投句済み。
    (月ごとにまとめて<A HREF="http://d.hatena.ne.jp/torae173/">短歌メモ</A>の各月1日付けにUP。)
    旧かな遣いで作句しているので、「ニオイの日」という2月1日のお題は
    「ニホヒの日」と書き変えていいのかどうか迷ったけれども、
    「匂いの日」で良い句が思い浮かばなかったので、
    「二」+「老イの日」として強引な1句をひねり出した。
    これから1年、選と選評を毎日読んで17音の世界に少しでも近づきたい。

    <font color="#ffffff">石の日や嗚呼ボボ・ブラジルよキム・イルよ  伊波虎英</font> -----

    「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(22)

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      ☆雛鳥さん
      <font color="#ffffff">角と角合わせるでもなく畳まれた手紙に筆圧高いイニシャル (064:イニシャル) 雛鳥</font>

      ☆青山洸さん(未完走)
      <font color="#ffffff">さまざまなサッカーチームのユニフォームが勝ちたい試合を彩っている (013:彩) 青山洸</font>

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      清水幸多さんの<A HREF="http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=343254&log=20041215">15日付の日記</A>を読んだ。
      玲はる名さんの「縫い目」の短歌と、僕の「中華まんの日」の俳句。
      たしかに並べると似ている。でも、
      あの玲はる名さんの歌に影響されたというわけではない。
      というか全く意識になかった。

      記号短歌にはまだまだ可能性があると思うけれど、
      玲さんの「縫い目」の歌は、そのまますぎておもしろくないし新しさもない。
      お題が「縫い目」だから仕方ないといえばそうなのだけれど、
      わざわざ「縫い目」と書いてしまうのは……。この「縫い目」が
      5音か7音の他のヒカル言葉だったらまだ救いがあったかもしれない。
      それよりも、「縫い目」という文字を「-----」で絵文字のように大きくデザインして
      PC画面半分くらいを「縫い目」で占拠したほうがおもしろい作品になっただろう。
      単行本化のための自選30首に入れてもインパクトがあるし。
      記号短歌でいえば、玲さんの

      <font color="#ffffff">┥┸┛┗ウマ┳レ┻┠┯┣カ┷ワレ┯┛┗┣ルナ┻╋┝ラバ 数学  玲はる名</font>

      という作品。結構いろいろな鑑賞サイトで取り上げられていたけれど
      この歌も僕にはどこがいいのかわからない。

      ということで、僕の「中華まんの日」の俳句は、
      昨年の題詠マラソンの「ドーナツ」のお題に出詠した

      <font color="#ffffff">アンドーナツハアナガナイカラキライキライ
      アメリカハ◎◎◎カラ◎◎◎◎</font>

      という自作を意識して詠んだ俳句だ。
      それと季語ということも意識して。

      本題に入りきれなかった。続きは明日。 -----

      「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(21)

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        島田牙城さんに、「題詠マラソン2004」自選30首と略歴をメール。
        今日から投句の受付が始まった<A HREF="http://www7.ocn.ne.jp/~haisato/kinenbi-home.htm">「記念日俳句」</A>に参加。

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        ☆上村昭廣さん
        <font color="#ffffff">高く盛り再び押さへて練りあぐる轆轤の上に土生きてをり (046:練) 上村昭廣</font>

        ☆稲村一弘さん
        <font color="#ffffff">ひと目 ひと目 縫ひ目の描く柔らかきキルト模様にこころ温もる (080:縫ひ目) 稲村一弘</font>

        ☆石井建雄さん(未完走)
        <font color="#ffffff">この街をやがて出て行く僕のためある空っぽの旅行鞄が (001:空) 石井建雄</font>

        ☆春畑 茜さん
        <font color="#ffffff">「ゆたぽん」のそのぬくもりを抱きしめて眠りしが朝「ゆたぽん」居らず (004:ぬくもり) 
        愛嬌をふりまくきみのその顔のむこうはきっと淋しい沼だ (037:愛嬌)
        しろじろとビデオ画像に浮かび来て鯉はか暗き口をひらけり (067:ビデオ)
        限りなくにせものなれどかがやきて回転寿司にイクラは回る (070:にせもの)
        回廊に春のひかりと影を踏むもはや住むひとなき宮殿の (073:廊)
        惜しみなくいま一山(いっさん)のさくら花ふぶくを春の坩堝(かんか)と呼ばむ (077:坩堝)
        チョークもて「傷待つ胸は」と書きしのち あわれしずかに花の散る窓 (086:チョーク)
        惚けたるひとりの影のさびしくて打たるるままに木琴は鳴る (090:木琴) 春畑 茜</font> -----

        「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(20)

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          沖縄に接近した台風27号(昨日午後3時に温帯低気圧に変化)
          の影響で前線が刺激され、日付が変わる前から風雨が強まる。
          日中も風が強く、日が照っているのに急に雨が降り出したり。

             ☆

          ☆桑原憂太郎さん
          <font color="#ffffff">床下に埋めた死体が夢に出て自首する奴が毎年二人 (091:埋) 桑原憂太郎</font>

          ☆南野耕平さん
          <font color="#ffffff">油断して君が発した本当の声がいつしか桜前線 (095:油) 南野耕平</font>

          ☆花鳥 佰さん
          <font color="#ffffff">白き犬のかたむきながら走りきて「用か」と問へどとほりすぎたる (011:犬) 花鳥 佰</font>

             ☆

          来年は、「題詠マラソン」の俳句版<A HREF="http://www7.ocn.ne.jp/~haisato/kinenbi-home.htm">「記念日俳句」</A>
          (日本記念日協会・里俳句会共催)というユニークな企画も開催されるようだ。 -----

          「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(19)

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            今日は「題詠マラソン2004」の感想・反省会最終日。
            僕も駆け込みで<A HREF="http://www.sweetswan.com/daiei-2004/">会場</A>に感想を書き込んだ。

            邑書林の島田牙城さんから、単行本化のための
            自選30首と略歴提出の案内メールが届く。
            推敲して結社誌に投稿した作品は、自選から除くつもり。
            そうすると30首残るのか……。提出期限は12月19日。

            ☆みうらしんじさん
            <font color="#ffffff">わたくしが踏みつぶされた蜜柑ならあのひとは矢の刺さった林檎 (015:蜜柑) みうらしんじ</font>

            ☆丸山 進さん
            <font color="#ffffff">「潮騒」を読んでた頃の夜空には迷惑メールの電波もなかった (049:潮騒) 丸山 進</font>

            ☆日向寺みづほさん
            <font color="#ffffff">だれがどこへ向かうのだろうゆうぐれの交差点いま曲がる神姫バス (008:姫) 日向寺みづほ</font> -----

            「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(18)

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              「短歌人」12月号(通巻750号)が届く。
              冒頭に、発行人である中地俊夫さんの
              「通巻750号に当たって」という文章が掲載されている。
              記念号は区切りの良い800号か70周年に譲るということだけれど、
              僕にとっては<A HREF="http://www.tankajin.com/top.shtml">短歌人</A>に入会して初めて自分の歌が掲載されたのが
              1月号だったから、ちょうど1年となる記念すべき号である。
              (掲載歌6首を27日付の<A HREF="http://d.hatena.ne.jp/torae173/">短歌メモ</A>にアップ。)
              それと、来月、小池光さんの『時のめぐりに』という
              歌集が出るといううれしいお知らせがあった。
              『滴滴集』から間を置かず次の歌集が読めるというのは幸せなことだ。

                   ☆

              ☆野田 薫さん
              <font color="#ffffff">日の入りが毎日見える高台は朝礼台なんかよりは中心 (061:高台) 野田 薫</font>

              ☆愛恵美(akemi)さん(未完走)
              <font color="#ffffff">熱かった何かが冷めて「ぬくもり」と呼ばれるのならそれは要らない (004:ぬくもり) 愛恵美(akemi)</font>

              ☆津和 歌子さん
              <font color="#ffffff">大太鼓担当者ならもう少しオーラがなくてはならぬと思う (029:太鼓)
              奴隷にも意地があるから混んでいる快速電車を二本見送る (069:奴隷) 津和 歌子</font>

              ☆村上きわみさん
              <font color="#ffffff">イワンさんの大きな足が踏みしめる永久凍土というとこしえよ (006:土)
              圏内と圏外わかつひとすじの川を抱きてねむる家族(うから)は (009:圏外)
              びょうどうに蜜柑をわける わたくしは由緒ただしき bitch だからね (015:蜜柑)
              球根を深くうずめて疼痛のような未来をなおわかちもつ (051:痛)
              輪郭を曖昧にして待っている川のほとりで足を濡らして (097:曖昧) 村上きわみ</font> -----

              「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(17)

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                「ちゃばしら」11月号の歌会詠草(お題「泡」)と
                前号の歌会への選歌コメントを井口さんにメール。
                自由詠にも連作15首を投稿した。

                     ☆

                ☆川内青泉(二三子)さん
                <font color="#ffffff">生徒らに投げたきチョーク自らの口に入れたる賢治を敬す (086:チョーク) 川内青泉(二三子)</font>

                ☆現川尋香(川内次代)さん
                <font color="#ffffff">人生をサボりだして今に至る私の記憶はモザイク模様 (039:モザイク) 現川尋香(川内次代)</font>

                ☆杉山理紀さん
                <font color="#ffffff">ミズウミニ小石ヲ君に短かめの手紙をここは寂しいほとり (024:ミニ)
                セットした八時ちょうどのデジタルな人工呼吸のお互いの息 (058:八) 杉山理紀</font>

                ☆橘真知子さん
                <font color="#ffffff">芦ノ湖を見下ろし進むゴンドラは家族を乗せて静かにきしむ (034:ゴンドラ)
                塩尻の峠より見き連峰は天を支へてやぞうを組めり (038:連) 橘真知子</font>

                橘さんの2首目の歌の「やぞう」は「弥蔵」のことでしょうか。
                広辞苑には、「ふところ手をして着物の中で握り拳をつくり、
                肩のあたりを突き上げる姿形。江戸後期、職人・博徒などの風俗」
                とあります。旧かな表記では「やざう」のようです。 -----

                「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(16)

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                  ☆小島左さん
                  <font color="#ffffff">秋という機械の隅にねじ一つ落っこちてきたようなどんぐり (047:機械) 小島左</font>

                  ☆井上佳香さん
                  <font color="#ffffff">おびただしきペットボトルの空白のそれぞれ濃淡ある声に啼く (043:濃) 井上佳香</font>

                  ☆田中槐さん
                  <font color="#ffffff">数学者の美しき手にてほどかるるたったひとつの問いになりたし (007:数学)
                  やり直す術はもうない 紙皿に「切れてるチーズ」二枚乾いて (010:チーズ)
                  粉からし練っているときつんつんとあなたを捨てることなど思う (046:練)
                  遠江(とおとうみ) たゆたう音を孕む名のふるさとなりき寄せては返す (094:遠)
                  決起する油性マジック 黒々と四文字熟語書かれていたり (095:油)  田中槐</font> -----

                  「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(15)

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                    ☆浅場純子さん
                    <font color="#ffffff">運命線のきはだつ人のてのひらの大きさはかるわが手重ねて (003:運) 
                    ほとけのざいよよ咲き出で花の名を鳥の名前をよびおこすなり (005:名前) 浅場純子</font>

                    ☆倭をぐなさん
                    <font color="#ffffff">蝶ひとつ吐いて鎮もる磨崖佛帽子を顔に眠る人ゐて (056:磨) 倭をぐな</font>

                    ☆塩谷風月さん
                    <font color="#ffffff">そこに在ると思えば空気明るみて白き薄手のシャツの胸元 (062:胸元) 塩谷風月</font>

                    ☆多田百合香さん(未完走)
                    <font color="#ffffff">ゆるやかな寝言をひろう(パルメザンチーズは星の粉、ってゆった?) (010:チーズ) 多田百合香</font>

                    ☆渡辺百絵さん
                    <font color="#ffffff">くちびるを湿らせるようにつぶやけばあたしの水を震わす名前 (005:名前)
                    七色に塗り分けられた木琴を奏でる猿に生まれたかった (090:木琴) 渡辺百絵</font>

                    ☆温さん
                    <font color="#ffffff">辞書は嫌い「八」を引いたら「七よりもひとつ多い」とたらい回しする (058:八) 温</font> -----

                    「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(14)

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                      昨夜、なぜか「さるさる」にログインできなかった。

                      ☆深森未青さん
                      <font color="#ffffff">土の像に女陰きざみて夜半ひとり自慰にふけりや縄文の民 (006:土)
                      殉教画に掴み出さるる聖人の胃の腑そこだけ夜はなまぬるし (021:胃)
                      望郷をいだかざるわれ溶けなむと乳房をつぶすきみのそびらに (023:望)
                      もとも遠き星雲の写真かがよひてわが着床のごとくさみしも (028:着) 深森未青</font>

                      ☆コズエさん
                      <font color="#ffffff">ヴェネチアの黒い水路に冬月の影を壊してゴンドラはゆく (034:ゴンドラ)
                      整形をおえた器は焼けるまで生き物の肌見せて眠れる (079:整形) コズエ</font>

                           ☆

                      昨日、小池光歌集『滴滴集』が届く。 -----

                      「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(13)

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                        金正日の肖像画が撤去されているという話や、
                        彼への美称が一部使われなくなっている
                        というニュースは何を意味しているのだろう。
                        大変なことが起こっているにしては静かすぎるし、
                        ブッシュが何かガツンとかましたのかもしれない。
                        ライスさんも怖そうな顔してるし……。
                        日本にとっていい方向へ向かえばいいんだけど。

                             ☆

                        ☆笹田かなえさん
                        <font color="#ffffff">正確にもののかたちをなぞるとき夜はなるべく濃いほうがいい (043:濃) 笹田かなえ</font>

                        ☆魚柳志野さん
                        <font color="#ffffff">もどかしさなんてなかった蒔けば芽が出るあさがおしか知らなかったし (075:あさがお)
                        砂混じりの唾液が口に湧いてきてイラクってうまく発音できない (081:イラク) 魚柳志野</font>

                        ☆浦川聡子さん(未完走)
                        <font color="#ffffff">雪のみち歩き来し夜に渡さるる土器の破片のあたたかきかな (006土) 浦川聡子</font>

                        ☆大石俊弘さん
                        <font color="#ffffff">ストーブの灯油を入れるときに子と行き違ひたり何も語らず (095:油) 大石俊弘</font>

                             ☆

                        昨日、今日と夜中になると、ひさしぶりに
                        ネズミが暴れ始めだしてなんだか不気味。 -----

                        「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(12)

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                          昨日書いた「題詠マラソン」の単行本化についての意見は、
                          邑書林の島田牙城さんにも伝わるよう、参加表明の
                          メールを送った際にここのURLを書き添えておいた。
                          ところで、買い取り分の3冊をどうしようかと考えていたら、
                          ある方から「送って来んといてね」と釘をさされてしまった(笑)。
                          送り付けようと思っていたのをすっかり読まれてしまっていた。
                          去年の『短歌、WWWを走る。』は、保存用と、いろいろ印を
                          付けてもいい読書用との2冊を所有しているけれど、
                          3冊も必要ないしなあ。誰か支援してくれる人募集します(笑)。
                               
                               ☆

                          ☆近藤かすみさん
                          <font color="#ffffff">われの知らぬ快楽あるときみは言ふ庭の芝桜眺めつつ言ふ (026:芝)
                          Oの字に口あけうたふマドンナの口をふちどる濃きべにのいろ (043:濃)
                          だれにでも裸体をさらすマネキンのやうな日記をまた読みに行く (055:日記)
                          手花火のひかりひととき胸元を照らしふたたび闇へとかへる (062:胸元) 近藤かすみ</font>

                          ☆キタダヒロヒコさん
                          <font color="#ffffff">  直歩六ヶ月。よく笑ひます。
                          直歩(なほ)、きみの名前を口にするひとがいつも笑つて呼びますやうに (005:名前)
                          真みづにも秋到りなばしづかにも湛へてわれは墨摺りにけり (053:墨) キタダヒロヒコ</font>

                          ☆牧野芝草さん
                          <font color="#ffffff">論文にイニシャルだけで載っているH.M.氏の脳の断面 (064:イニシャル)
                          理科年表「気象」の項の降水量一覧表にマナウスもある (076:降) 牧野芝草</font>

                               ☆

                          阪神タイガースが、ドラフト8巡目で15歳の辻本賢人投手を指名。
                          MAX142キロを記録する将来性のある選手。
                          12歳で単身渡米する前には、伊良部や的場もいた
                          少年野球チーム「兵庫尼崎」に所属していたらしい。また、
                          「岸和田少年愚連隊 岸和田少年野球団」という映画にも
                          準主役級で出演していて、年齢以外にも話題性じゅうぶん。
                          関西出身で阪神ファンみたいだし、ほんとうに楽しみな選手だ。
                          あせらずじっくりとプロの投手に育てていってほしい。
                          阪神の場合、期待が大きい選手が1軍にあがってくることなく
                          いつのまにかいなくなっていることが多いのがちょっぴり不安。 -----

                          「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(11)

                          0
                            ☆なかはられいこさん
                            <font color="#ffffff">知らない町の知らない駅に立つようにあなたが裸足になるのを見てる (012:裸足)
                            またそんな表情をする錠剤がぐずぐず水に溶けてくような (057:表情)
                            水色のちいさな息をひとつ吐きしぼんでしまった僕の姉さん (065:水色)
                            アスファルトにチョークで描いたカナリアが羽根をふるわせ冬がはじまる (086:チョーク) なかはられいこ</font>

                            ☆石川美南さん
                            <font color="#ffffff">ガラス戸に無限の桜ちりかかる四月しづかな数学書フェア (007:数学)
                            さびしいかとかげお前は爬虫類図鑑の隅で舌もてあます (060:とかげ)
                            手招きと「あつちへゆけ」を繰り返すすすきのはらで溺れてゐたり (098:溺) 石川美南</font>

                            ☆青山みのりさん
                            <font color="#ffffff">昨夜叱りすぎた報いかふつふつと舌にからまるチーズトースト (010:チーズ)
                            綿雲の犬のかたちはわずかづつ神に召さるるごとく透けおり (011:犬)
                            約束の語尾は乱れた 笹舟をはじいて沈む水きりの石 (016:乱)
                            身じろぎもせず夕立に濡れながらたたずむ猫もひとりのおんな (050:おんな) 青山みのり</font>

                                 ☆

                            「ちゃばしら」9月号のプリント版が届いた。
                            プリント版が届いてからじっくり読もうと思っていた特集記事
                            「短歌朗読、昨日・今日・明日」(責任編集:田中槐)に目を通す。 -----

                            「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(10)

                            0
                              ☆合田千鶴さん
                              <font color="#ffffff">素水のやはらかき音に沸きはじむ記憶のなかの父若かりき (019:沸)
                              牡丹灯籠四谷怪談英語にて訳せば怖さひどくうするる (025:怪談)
                              輪郭をなぞれば酷く曝されて半島はつね怒りてをらむ (033:半)
                              叫びたるも怒りたるもあり埃及の木乃伊異国の陳列ケースに (093:列) 合田千鶴</font>

                              ☆植松法子さん(未完走)
                              <font color="#ffffff">着ぐるみの動物たちがやってきて我の説かるる交通安全 (028:着) 植松法子</font>

                              ☆涼さん
                              <font color="#ffffff">あぐらより酒の酔いよりはみ出してやんごとのなき裸足の足裏 (012:裸足) 涼</font>

                              ☆ももかさん
                              <font color="#ffffff">幻想と現実のきは彷徨ひて若冲の絵の鶏の神彩 (013:彩)
                              ふるさとは映画のやうでゆきずりの夏雲に手を上げて乗るバス (042:映画) ももか</font>

                              ☆斉藤そよさん
                              <font color="#ffffff">どうしてもうまく失望できなくて未だみどりのみどりのこゆび (023:望)
                              冴え冴えと月が照らせばおんな湯にいくつも浮かぶ良くないこころ (050:おんな) 斉藤そよ</font>

                              ☆魅弥華韻さん
                              <font color="#ffffff">はつなつの風が吹くから芝草の戸惑いとしてくちづけており (026:芝) 魅弥華韻</font>

                              ☆shionさん
                              <font color="#ffffff">ミズノ製よく飛ぶボールその縫ひ目桑田真澄は額(ぬか)を擦り寄せ (080:縫い目)
                              絶句するほどの感銘句のなくて礼状に書く感銘句十句 (088:句) shion</font>

                              ☆櫂未知子さん
                              <font color="#ffffff">父は子を名前で呼びぬ 父のこと一度も名では呼ばざりしかど (005:名前)
                              お父さんはお父さんだからお父さんではない 哲学的捨て台詞かも (030:捨て台詞)
                              須磨といふ地名はつねに濡れてをり父へ帰らぬわが身思へば (056:磨)
                              ハンカチの白さに父のイニシャルのJ・Hてふ糸のしづむも (064:イニシャル)
                              影てふはいつももつるるものにして父に追はれてみたき夕暮 (071:追)
                              木琴のわづかくぐもる雨の日が父の日だとは気付くすべなく (090:木琴) 櫂未知子</font> -----

                              「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(9)

                              0
                                <font color="#ffffff">
                                「文体」という語は一般にいたって曖昧に「文形」の特異性くらいの意で用いられているが、
                                実は文体(様式)は文形(形式。フィギュールやテクニックを含む)を食いやぶってゆく
                                芸術的な作家のもう一つの「分身」ともいうときの精神の相である。たとえ文形は古くても
                                (古文であっても)すぐれた文体は常に新しい。しかもそうした文体は作者だけが創り出す
                                のではなく半ば読者の感受性によって発見され創り出される。読者の感受性が作者のそれと共鳴し、
                                波長においては作者以上(精読者の数の多さによっても)の周波数で作品の価値的文体を創出する。</font> 
                                (原子朗「肉筆稿のおもしろさ 漱石『道草』の場合」(「出版ダイジェスト」)より)

                                ひきつづき、「題詠マラソン」からピックアップ。

                                ☆浜田道子さん
                                <font color="#ffffff">土つきの野菜の山に添えられし梅の小枝がほのかに匂う (006:土)
                                八人の子等を育てし老い母に趣味もてと言えば寂しき顔す (058:八)
                                油膜はる川に自転車投げられて仰向けのまま冬は終わりぬ (095:油) 浜田道子</font> 

                                ☆飛永京さん
                                <font color="#ffffff">夕暮れの風に消されるコーラムは女が描くゆるい数学 (007:数学)
                                天国へてんてん手鞠つきながら石のきざはし登ってゆかな (027:天国)
                                濁音が甘美に響くバグダッド 痛点のようにモスクは光り (051:痛) 飛永京</font>

                                ☆佐藤紀子さん
                                <font color="#ffffff">鯉のぼりをカナダの空に泳がせる初孫トムの端午の節句 (088:句) 佐藤紀子</font>

                                ☆逢森凪さん
                                <font color="#ffffff">生まれたての仔犬のようにただ君の後を追いたい春先である (011:犬) 逢森凪</font>

                                ☆藤原龍一郎さん
                                <font color="#ffffff">圏外という人生をうべなえと液晶画面に175R(イナゴ・ライダー) (009:圏外)
                                自虐こそ終(つい)の文学的動機なるか真夏の犬とヒロシと (011:犬)
                                柑橘系日本文学全集に梶井の「檸檬」芥川の「蜜柑」 (015:蜜柑)
                                モザイクは股間にかかり目にかかり世界にかかり不動明は (039:モザイク)
                                雨の夜の孤絶を綴る日記にて岸上大作このバカヤロー (055:日記)
                                流行を不易を離れ塚本の絶唱としてウマヲアラハバ (099:絶唱) 藤原龍一郎</font>  -----

                                「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(8)

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                                  ☆ひぐらしひなつさん
                                  <font color="#ffffff">泣きながら水を運べば枕辺に春のひかりがあふれてやまぬ (003:運)
                                  さっきまできみがすわっていた土に夏のひかりはのこされたまま (006:土)
                                  野あざみを蹴散らしてくる彗星を抱きとめれば犬のかたちだ (011:犬)
                                  缶入りの紅茶甘くてさらさらと裸足になれば春の流木 (012:裸足)
                                  月光にきみの指紋をひからせて望遠鏡は俯いたまま (023:望)
                                  一杯の水澄む夜の隅にいて薬包紙裂くゆびのつめたさ (032:薬)
                                  二度と泣かないわたしのために路地という路地にあまねくひらくあさがお (075:あさがお) ひぐらしひなつ</font>

                                  ☆杉田加代子さん
                                  <font color="#ffffff">トニー谷に名前問はれしこともなく父は逝きたり昭和とともに (005:名前)
                                  負はされし痛みの上に降る雨を土地はしづかに待ちつつあらむ (006:土)
                                  曖昧にうなづくこともやさしさのひとつと思ふ秋桜ゆれて (097:曖昧) 杉田加代子</font>

                                  ☆久野はすみさん
                                  <font color="#ffffff">旋律を生まない言葉、誠実なピアノ運搬業者のきみの (003:運)
                                  クレーンは哀しき機械 高層のビルの最上階に立つとき (047:機械)
                                  あのひとはわたしがきらいあのひとはわたしがきらいシンクを磨く (056:磨)
                                  借りているだけかもしれず子どもらをレンタルビデオ店に放てば (067:ビデオ) 久野はすみ</font>

                                  ☆落合和男さん
                                  <font color="#ffffff">おしなべて墓は日当たる地にありて死とはぬくもるものかも知れぬ (004:ぬくもり)
                                  改札をいでておのおの洋傘の乾く世界をかぶりはじめる (078:洋) 落合和男</font> -----

                                  「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(7)

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                                    邑書林の島田牙城さんから
                                    「題詠マラソン2004」の単行本化についてのメールが届く。
                                    本の大きさをA5判と一回り大きくし、横組みで
                                    完走者の掲載作品数を昨年の20首から30首に増やした
                                    7000首以上の大アンソロジーを予定しているとのこと。
                                    ただし、参加者への献本を廃止し、制作費補填のために
                                    参加者は1人3冊を8掛けで購入するきまり。
                                    (http://6007.teacup.com/daiei/bbs)
                                    今年は実験的に旧かなで詠んでみたし、その中からいくつかは
                                    結社誌に推敲して投稿もしているので参加するかどうか迷っている。
                                    正直、7000首以上を収録したアンソロジーというのがイメージしづらい。
                                    ボリュームアップして、かえって昨年の『短歌、WWWを走る。』
                                    よりも内容が薄まりはしないだろうか。今、参加エントリー順に
                                    投稿作品を読み進めながら気に入った歌をピックアップしている
                                    のだけれど(まだ80人ほど)、そんな感じがしないでもない。

                                    ☆久保寛容さん
                                    <font color="#ffffff">百五歳の住まわる蜜柑垣の屋に我のなにかを正して入りぬ (015:蜜柑)
                                    カルタゴに春を乱れて惑いしというアウグスティヌスなら許す夜もあり (016:乱)
                                    熱みむと親の額に手を置きぬ親に触ること増えて悲しき (048:熱)
                                    間違えてたのんでしまったカクテルは花火がはじけ傘をさしてた (068:傘)
                                    書かれざる家族小説柿紅葉 この屋にひとりになるときがくる (092:家族)
                                    銀幕に出エジプトの奇跡成り列を乱さぬエキストラたち (093:列) 久保寛容</font>

                                    ☆小池尹子さん
                                    <font color="#ffffff">ペットボトルのぬくもり徐々に失せてゆき重みが膝に残りてをりぬ (004:ぬくもり) 小池尹子</font>

                                    ☆よごろうざさん
                                    <font color="#ffffff">真理しか書かれてないと気がつけばますます怖い数学の本 (007:数学)
                                    かさついた足裏こんなところからひからびてゆく私のおんな (050:おんな)
                                    言い過ぎることも言い足りないことも怖くて句点をやたらとうった (088:句) よごろうざ</font> -----

                                    「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(6)

                                    0
                                      週末、NHKが24時間にわたり放送した震災特別番組。
                                      まだ余震が続くなかでの急な編成で変だなとは思っていたけど、
                                      労組による会長批判を回避するのが目的だったというのが本当なら情けない話。
                                      こういう番組はじっくりと準備し、最低でも1ヶ月前から大々的にPRするべき。
                                      阪神淡路大震災10周年となる来年の1・17で良かったんじゃないの。
                                      別に急ぐ理由はなかったはずですけど、海老沢会長。

                                           ☆

                                      ひきつづき、「題詠マラソン」からピックアップ。
                                      ストックがなくなってきた……。

                                      ☆内田誠さん
                                      <font color="#ffffff">あざやかな水彩えのぐを混ぜてゆくなにも描けない色になるまで (013:彩)
                                      潔く傷つくことを引き受けて撫で肩のまま笑う家元 (045:家元) 内田誠</font>

                                      ☆紅茶硝子さん
                                      <font color="#ffffff">携帯とインターネットがあったって抱き合えなければ人は滅びる。 (100:ネット) 紅茶硝子</font>

                                      ☆小林看空さん
                                      <font color="#ffffff">みすずかる信濃なるかなやはらかく土を青めて春雨の降る (006:土)
                                      マリオンに問はん雨の日のポスターに鋼の意思のあるやなしかと (066:鋼) 小林看空</font>

                                      ☆谷口純子さん
                                      <font color="#ffffff">人参を彩りにして鍋に炊く冬の根菜愛想なければ (013:彩)
                                      公園の遊具のペンキ鮮らしく子らはどこかにいってしまった (020:遊) 谷口純子</font>

                                      ☆加藤苑三さん
                                      <font color="#ffffff">雨が降る度に傘差す必要が本当に(私に)あるんだろうか (068:傘) 加藤苑三</font>

                                      ☆植松大雄さん(未完走)
                                      <font color="#ffffff">屋上に本物見せに連れて行く海も空も知らない地球儀 (001:空) 植松大雄</font>

                                      ☆渡部光一郎さん
                                      <font color="#ffffff">ハイリスク・ハイリターンの朝焼けのとどのつまりのびくびくのくに (054:リスク) 渡部光一郎</font>

                                           ☆

                                      電話加入権を廃止するというNTTの詐欺みたいな話
                                      (大切な財産だと言っておきながら加入権料を
                                      返却しないままで、しかも段階的にという姑息な手段)は、
                                      イラクに非常事態宣言が発令されたというのに、まだサマワは
                                      非戦闘地域だと言ってる政府のまやかしにどこか似ている。

                                      <font color="#ffffff">短歌結社加入権もしあるならば如何ほどなるやその資産価値  伊波虎英</font> -----

                                      「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(5)

                                      0
                                        昨日、「ちゃばしら」10月号が届く。今号もメール2通のボリュームで、
                                        特集は「摩訶不思議!隣の短詩ワールド」と題した、俳人櫂未知子さん、
                                        川柳作家なかはられいこさん、歌人田中槐さんの鼎談。
                                        前号(9月号)の誌上歌会出詠歌(題「白」)を<A HREF="http://d.hatena.ne.jp/torae173/">短歌メモ</A>にアップ。
                                        それと、今月号の自由詠「BASBALO」10首も。
                                        この一連をつくったのは9月のことだった。
                                        11月には、大方の予想どおり新規参入球団は
                                        「東北楽天ゴールデンイーグルス」に決定。その後、
                                        産業再生機構に再建支援を要請したダイエーのみならず、
                                        日本一になった西武までも売却を検討しているというニュースが。
                                        まだまだ野球界は混沌としている。

                                        ひきつづき、
                                        「題詠マラソン2004」からピックアップ。

                                        ☆常盤義昌さん
                                        <font color="#ffffff">球体は自足のかたち みづからの尾を枕(ま)き犬はふかく眠りぬ (011:犬)
                                        理想論を嘲る父に親指を突き入れられて剥かるる蜜柑 (015:蜜柑)
                                        春風になびく御旗の波うてば●の血の色ひろがりて見ゆ (041:血) 常盤義昌</font>

                                        ☆春村蓬さん
                                        <font color="#ffffff">何ひとつ問はずに明日の陽は昇る人の名前も国の名前も (005:名前)
                                        無免許で飛ぶ鳥、咲く花、泳ぐ魚(うを) 許されて走る高速道路 (017:免許)
                                        かさぶたを無理に剥がした傷跡を僕の時代のイラクと呼ばう (081:イラク)
                                        ひと粒も流さず米を研ぐことも縦列駐車もいまだに出来ぬ (093:列) 春村蓬</font>

                                        ☆島田牙城さん
                                        <font color="#ffffff">(061:高台) 島田牙城</font> *

                                        ☆こはくさん
                                        <font color="#ffffff">端正な手紙の結び「元気で」の「気で」心持ち右に乱れぬ (016:乱) こはく</font>

                                        ☆鈴木貴彰さん
                                        <font color="#ffffff">春、おんなやわくしなえり霧雨が桜の色に染まりゆくころ (050:おんな) 鈴木貴彰</font>

                                        日記をUPしようとしたら「不適切な言葉があります」のエラーが。
                                        「さるさる」は字数制限(1000字)があるので
                                        不便だなあとは思っていたけれど、こういう機能もあるのか。
                                        まあ、無料の日記サイトだから仕方ない。
                                        島田牙城さんの作品中の言葉だろうと見当がついたので、
                                        上記引用では「お題」のみとした。*当該作品は、
                                        「死に至る色恋ざたの只中に高台の望遠鏡勃・起せり」(元歌に、「・」なし) -----

                                        「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(4)

                                        0
                                          ☆佐藤理江さん
                                          <font color="#ffffff">振れ幅の大きなる波押し出して太鼓の中の空気やすめり (029:太鼓)
                                          映画とふ残像技術人間の視覚が夢を忘れぬための (042:映画)
                                          やめられぬ正義の味方正しさの蜜に溺るるミツバチもゐる (098:溺) 佐藤理江</font>

                                          ☆如月佳さん
                                          <font color="#ffffff">エスプレッソの機械がたてるため息をお砂糖なしでうけ流しつつ (047:機械)
                                          旱天のあとの大雨降りそそぐ『むかし琵琶湖で鯨が捕れた』 (076:降)
                                          箱の中にとぢこめられた混沌があふれくる日の『家族八景』 (092:家族) 如月佳</font>

                                          ☆千坂麻緒さん
                                          <font color="#ffffff">胃袋はもうないんです私の祖母はゆっくり歩いています (021:胃) 千坂麻緒</font>

                                          ☆吉田小夜子さん
                                          <font color="#ffffff">画用紙に窓を書きたる少年は濃き紫に塗りつぶしたり (043:濃) 吉田小夜子</font>

                                          ☆ 阿部としこさん(未完走)
                                          <font color="#ffffff">衣擦れのおとなひ父を運びゆくナースは小さきくるぶしを持つ  (003:運) 阿部としこ</font>

                                          ☆大辻隆弘さん
                                          <font color="#ffffff">運ばれていくのならさう北の方、青さむざむと研がるる向かう (003:運)
                                          彩りをじよじよに加へて夜となる黄昏の川ならば許さう (013:彩)
                                          じんたいのほの暗がりに吊るされて胃は春の日を運ばれてゆく (021:胃)
                                          国といふつひに寂しきイメージを空にひらきて「天国」と呼ぶ (027:天国)
                                          かんけりで国家元首を決めてゐた藁の匂ひの夕べ、ぼくらは (045:家元)
                                          磨き砂売りの男が土間に来てひつそりと立ち去りし日盛り (056:磨)
                                          月光の領たる廊をふみてゆく開けはなちたる窓を閉めむと (073:廊)
                                          いつせいにあさがほ蒼じろく燃えて八月六日の朝は終りぬ (075あさがほ)
                                          秋のはじめと夏の終りをかさねあふ縫ひ目のやうな雨は降り来つ (080:縫い目)
                                          みづぎはに沿つてあなたに運ばれてゆく木琴のやうに乾いて (090:木琴)
                                          類型のない雨として立ちつくすわが肩の上を濡らしはじめつ (096:類) 大辻隆弘</font>

                                          ☆蝉丸さん
                                          <font color="#ffffff">打算とか計算ずくということも数学なのか不得手でもない (007:数学)
                                          遊覧船から降りてくる人の列地面に着いて横に広がる (093:列) 蝉丸</font> -----

                                          「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(3)

                                          0
                                            ブッシュ再選。日米ともに株価上昇。

                                            ☆高澤志帆さん
                                            <font color="#ffffff">動くだらうそれに名前を与へればぬばたまの夜に形をとりて (005:名前)
                                            枕元をおほきな裸足が横切りて夜か、と問へば夜明けだ、と言ふ (012:裸足)
                                            あす/は/は/は予報士の画の乱れしのち灯火の紐の振れはじめたり (016:乱)
                                            目覚むれば表紙めくれし歌集あり遊び紙には鳥がひそまる (020:遊)
                                            いま汗が流れるところ義兄(あに)の青きシャツがひとすぢ濃くなりてゆく (043:濃)
                                            すれちがひざまにななめに傾ぐなり黒き日傘の尖りとほのく (068:傘) 高澤志帆</font> 

                                            ☆村本希理子さん 
                                            <font color="#ffffff">公園の遊具の影はどれもみな誘拐犯に少し似てゐる (020:遊)
                                            奔放と思ふ間もなくしづまれるねずみ花火をバケツに漬ける (040:ねずみ)
                                            歯磨きの好みのことを言ひあつてそののち深き水音をきく (056:磨)
                                            イニシャルのやうな名前の銀行に口座開きてはつなつの鬱 (064:イニシャル) 村本希理子</font>

                                            ☆玲はる名さん
                                            <font color="#ffffff">ビデオとはピンクレディの復活のように行き場のないありがたさ (067:ビデオ) 玲はる名</font>

                                            ☆ただ(夛田真一)さん
                                            <font color="#ffffff">出来損ないの穂村もどきな歌なんて裸足で何度も踏みつけてやれ (012:裸足) ただ(夛田真一)</font>

                                            ☆本田瑞穂さん(未完走)
                                            <font color="#ffffff">春先のレントゲン室自分から裸足になった場所のいくつか (012:裸足) 本田瑞穂</font>

                                            ☆鳴井有葉さん
                                            <font color="#ffffff">気付かれぬように近づきそっと踏むあなたの裸足につながる水を (012:裸足) 鳴井有葉</font>

                                            ☆宮崎浩さん
                                            <font color="#ffffff">砂はまに打ち上げられし流木に弱気をのせて海に流せり (036:流)
                                            高台にたてば風吹く父とゆく太陽の塔もポートタワーも (061:高台) 宮崎浩</font>

                                            イラクが非戦闘地域だなんて子供だましの言い種は、
                                            千葉にあるのに東京と偽り、あるはずのない<夢の国>を
                                            さも現実に存在しているかのように提供している
                                            <ねずみの王国>となんとなく共通するものがある。
                                            その<夢の国>に、騙されたふりをして
                                            にこやかに現実逃避している大人が僕らだ。

                                            <font color="#ffffff">非弁当地域であればそれなりに覚悟して入るディズニーランド 伊波虎英</font> -----

                                            「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(2)

                                            0
                                              「題詠マラソン2004」の鑑賞ですが、
                                              完走者の検索が手間なので参加エントリー順に読んでいきます。

                                              ☆謎彦さん
                                              <font color="#ffffff">数学を愛するひとを芹洋子ならば如何なるひとと歌ふや? (007:数学)
                                              無免許をつらぬくことも何らかの免許であらう翡翠(かはせみ)いろの (017:免許)
                                              出国のロビーにならぶマッサージ・チェアと僧帽筋のゆきずり (018:ロビー)
                                              血のごとき石のかけらをひろひあげ「逍遥遊」ときざんでもらふ (020:遊)
                                              南京の大虐殺をながめつつドラゴンドラゴン天にまぐはふ (034:ゴンドラ)
                                              溥儀(兄)と溥傑(弟)ならびゆき墨のかをりの影をひきずる (053:墨) 謎彦</font>

                                              ☆新田瑛さん
                                              <font color="#ffffff">収穫が終わった後の果樹園に蜜柑のいろがわずかに残る (015:蜜柑)
                                              一人だけ芽が出なかったあさがおを抱えて帰る夏休み前 (075:あさがお)
                                              ネット上にトムとジェリーが現れて仲良くけんかを始めたようだ (100:ネット) 新田瑛</font>

                                              ☆田丸まひるさん
                                              <font color="#ffffff">どの森を誰から逃げるつもりなの? 迷彩トランクスの尾形くん (013:彩)
                                              わたしにも夢と希望をふりかざす赤いズボンのねずみが踊る (040:ねずみ)
                                              すてばちなメロディライン 神様の木琴はいつ上手になるの (090:木琴) 田丸まひる</font>

                                              ☆やそおとめさん
                                              <font color="#ffffff">万物が張る・晴る・墾(は)ると躍動す 世界は青き春のぬくもり (004:ぬくもり) やそおとめ</font>

                                              ☆夏己はづきさん(未完走)
                                              <font color="#ffffff">隙間なく敷きつめられた青空のようにあなたは完璧すぎた (001:空)
                                              ピン全て叩き折られたオルゴールみたいだ 心のこのたいらさは (014:オルゴール) 夏己はづき</font>

                                              ☆かいりさん(未完走)
                                              <font color="#ffffff">ぼくがまだ僕をしんじていたころの土の匂いをおぼえています (006:土)
                                              のどをあらう薬のにおいいつだってかなしいことをかんがえるとき (032:薬) かいり</font> -----

                                              「題詠マラソン2004」作者別鑑賞(1)

                                              0
                                                「題詠マラソン2004」が終了した。
                                                参加者375名のうち約60%の231名が完走したもよう。
                                                参加者162名のうち約75%の121名が完走した昨年に比べるとやや低調。

                                                過去ログを辿っていた<A HREF="http://dklog.jp/u/haru3kan/">「観戦記」</A>が中断したままで、
                                                「完走者○首選」に変更しようか思案中。
                                                とりあえず、スタッフの方に敬意を表して。

                                                ☆五十嵐きよみさん 
                                                <font color="#ffffff">不器用な指にあらわにされる夏蜜柑の中のちいさな太陽 (015:蜜柑)
                                                ゆるゆると茎をのぼってゆく水が沸点こえて咲くひまわりか (019:沸)
                                                半分はひかりに透けた輪郭で飛ぼうとしている写真のわたし (033:半)
                                                 (4)褪せてゆく文字
                                                うたた寝のあとにも夏がつづく午後カルピスはもう濃くなくていい (043:濃)
                                                迷いなく枝を断ちきる家元の鋏さばきの音のすずしさ (045:家元)  五十嵐きよみ</font> 

                                                ☆水須ゆき子さん 
                                                <font color="#ffffff">この星の誰の上にもある空へわれは腕(かいな)を子は背を伸ばす (001:空)
                                                水須さんと呼ばれるうちに水須さんになって名前の中の夕凪 (005:名前)
                                                芝を焼くときは険しき顔をせりわれを叱らぬわが姑は (026:芝)
                                                傘立ての傘ひとつずつ首のない兵士に見えて遠しイラクは (081:イラク)
                                                みどりごは目で母を追うお互いに選べないまま家族になって (092:家族) 水須ゆき子</font> 

                                                ☆兵庫ユカさん(未完走)
                                                <font color="#ffffff">たくさんのひとが死ぬとは思わずに 春 アイロンをするする運ぶ (003:運)
                                                虹、港、虹 国民の流失を抑えることができなくなって (036:流)
                                                血溜まりのようだカセットテープからテープが溢れ出して広がる (041:血) 兵庫ユカ</font> 

                                                ☆荻原裕幸さん 
                                                <font color="#ffffff">あをぞらを逆さまにしたぬくもりのあなたのなかをひばりが游ぐ (004:ぬくもり)
                                                ゆめの匂ひと土の匂ひをかぎわけて世界のへりをしづかに歩む (006:土)
                                                ひとりひとりゴンドラに乗る薄闇のそこをこころと呼ぶのか迷ふ (034:ゴンドラ)
                                                硝子質だつたはずだがいつからか鋼のにほひする秋の街 (066:鋼)
                                                句点やたらに少なきてがみ悲しみが隙間に入りこまないための (088:句) 荻原裕幸</font>  -----

                                                【ご案内いろいろ】

                                                0
                                                  【題詠マラソン2004】
                                                   ◎5月21日に完走しました。
                                                    出詠作品100首+完走記念の1首を<A HREF="http://d.hatena.ne.jp/torae173/">こちら</A>にUPしています。
                                                    (2004年5月21日〜31日)

                                                   ◎「さるさる日記」では、参加者の方の作品をエントリー順に読んで
                                                    気に入った歌をコメントなしでピックアップしています。
                                                    (2004年11月3日から継続中)
                                                    <「題詠マラソン2004」作者別鑑賞>で検索してご覧ください。
                                                    11/16付には、単行本化についての意見も書いています。

                                                   ◎ログ50まで、コメント付きで作品をピックアップしています。
                                                    <A HREF="http://dklog.jp/u/haru3kan/">こちら</A>をご覧ください。

                                                        ☆

                                                  【歌の栞 in 色紙2003】
                                                   みの虫さんの書画と僕のエッセイ「歌の栞」とのコラボレーション企画。
                                                   2003年5月〜2004年4月までの1年間(12回)の企画です。
                                                     http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/newpage33.html

                                                        ☆

                                                  【私家版歌集『観覧車日和』】
                                                   ◎収録歌190首と「あとがき」を公開しています。
                                                   ◎みなさんから頂いた感想もご覧ください。
                                                     http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/newpage15.html

                                                        ☆

                                                  【題詠マラソン2003(完走者5首選&出詠歌)】
                                                   ◎<A HREF=http://d.dklog.jp/haru3kan/d/2005/12.html>「題詠マラソン2003」観戦記</A>に、完走者の方の名前をタイトルにして
                                                    完走順にまとめています。(2003年7月7日付より。)

                                                   ◎出詠作品100首+1首を<A HREF=http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/marathon2003.html>確定版</A>としてUPしています。
                                                     <A HREF=http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/marathon2003(001-025).html>題詠1〜25</A> ・ <A HREF=http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/marathon2003(026-050).html>題詠26〜50</A> ・ <A HREF=http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/marathon2003(051-075).html>題詠51〜75</A> ・ <A HREF=http://www8.plala.or.jp/haru3-kan/marathon2003(076-100).html>題詠76〜100+1首</A>

                                                   ◎邑書林より「題詠マラソン2003」のアンソロジー集
                                                    <A HREF=http://www7.ocn.ne.jp/~haisato/daiei2003book.htm>『短歌、WWWを走る。』</A>発売中! -----

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